ついにこのアーティストをご紹介する時がやってきてしまいました。近年ありとあらゆる夏フェスに引っ張りだこ&一部界隈にて熱烈な支持者を持つ日本史バンド、レキシです。写真の髪形アフロの方がそれです。 

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レキシ公式Webサイトより転載)

■レキシってどんなアーティスト?

そもそもレキシって何者なんでしょうか。誰なんでしょうか。まずはレキシの公式サイトのプロフィールページを覗いてみましょう。

PROFILE | うぇぶ城 -レキシ・池田貴史オフィシャルウェブサイト
1997年SUPER BUTTER DOGのキーボーディストとしてメジャーデビュー。
デビュー当時からアフロヘアがトレードマークで、プレイヤーとしてはもちろん、ライブにおけるファンキーなエンターテナーぶりと喋りのセンスも評価が高く、TVではイケチャンとしても活躍中。
2004年より中村一義らと共にバンド100sのキーボーディストとして活動。
どうやら池田貴史さんという人がソロ名義で活動する時のアーティスト名なんだそうです。SUPER BUTTER DOG(「サヨナラCOLOR」なんかで有名で、ハナレグミこと永積タカシ氏がボーカルとして活躍されていた)や中村一義さん率いる100sのキーボディストだったんだとか。ふんふん。どうやらすごい人っぽいです。
日本の歴史に造詣が深く、ソロ・プロジェクト、レキシとして2007年アルバム『レキシ』でソロデビュー。ファンキーなサウンドに乗せて歌う日本史の歌詞と、ユーモア溢れるステージングで話題を呼ぶ。
…ちょっと何言ってるかよくわからなくなってきましたね。いきなり「日本史に造詣が深い」とか全く音楽と関係ない話がでてきました。「ファンキーなサウンドに乗せて歌う日本史の歌詞」って、全く意味がわかりません。とりあえず曲を聴いてみましょうか。



…はい、レキシの曲を初めて聴く方にとってはなかなか衝撃だったのではないでしょうか。ほんとに、「ファンキーなサウンドに乗せて」、日本史超頻出ワードの年貢について歌っております。

しかし不思議なことに、この曲(いやこの曲に限らずこの人の楽曲ぜんぶ)超キャッチーでかっこいいんですよね。曲頭からサビにかけて旗本ひろしさん(=秦基博)のボーカルとか、農民と庄屋が米俵持ちながらラップしてるあたり(1:36くらい)の落差とか、「年貢♪For you♪」をはじめとした曲への歌詞の乗せ方、言葉遊びとかの工夫がすごい。

なんでも、スーパーバタードッグ時代に遊び半分でやってたことがウケて、それを何回かやってるうちに池田さんのライフワークになったんだとか。曲作りをする上でも、直球で思っていることを書くよりも日本史のフィルターをかけて歌詞を作る方が池田さん自身やりやすいんだそうです。

参考URL:レキシ インタビュー - ぴあ中部版WEB - チケットぴあ



■しょうもないけどすごい。歴史ネームについて


そして初めてレキシのことを知った方には、もうひとつ気になることがあるんではないでしょうか。
そう、各楽曲についているよくわからない人名のようなもの。上の「年貢 for you feat. 旗本ひろし、足軽先生」の「旗本ひろし、足軽先生」っていったい何なんだ、と。

だいたいおわかりかとは思いますが、彼の楽曲に参加したゲストは、漏れなく全員「歴史ネーム」なるものを付与されていて、この曲の場合、秦基博さんには「旗本ひろし」の称号を授けられているわけです。いとうせいこうさんには「足軽先生」。


せっかくなので、代表的なゲストアーティストの歴史ネームを羅列してみます。

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足軽先生=いとうせいこう
つぼねぇ =原田郁子(クラムボンのボーカル)
シャカッチ=ハナレグミ
切腹さん=スネオヘアー
Dr.コバン=中村一義

MC末裔=スチャダラパー
Deyonna=椎名林檎
織田信ナニ? =浜野謙太(SAKEROCKのトロンボーン)
MC母上=Mummy-D(ライムスターのMCの人)

齋藤摩羅衛門 =齋藤和義
カブキちゃん=Salyu
田ンボマスター =サンボマスター

もち政宗=持田香織(Every Little Thingのボーカル)
旗本ひろし=秦基博
北のパイセン問屋 =怒髪天

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どうですか。ご本人が考えたのか池田氏が考えたのかよくわかりませんが、天才じゃないかと思います。個人的には織田信ナニ? 、齋藤摩羅衛門、田ンボマスター、北のパイセン問屋がツボです。

もち政宗もやばい。


■曲を聴いてみよう

…という情報を仕入れてすっかりレキシにハマってしまった方のために、レキシの代表曲、ライブの定番曲、人気曲、個人的なおすすめ曲を、収録アルバムを軸として並べておきます。ライブの予習とかに使ってみて下さい。


・レキシ(2007年6月6日リリース)

レキシ
レキシ
TOSHIBA-EMI LIMITED(TO)(M)
2007-06-06


「歴史ブランニューデイ」 feat.足軽先生(=いとうせいこう)
【解説】
足軽先生こといとうせいこう氏が日本史学習に関してラップを披露し、サビで池田氏が歌う、という非常にシンプルな構成の楽曲。他の曲のように特定の時代について歌うのではなく、歴史学習についての詞あるいはリリックを中心として曲を展開しているのが特徴。MVありです→YouTube

「真田記念日」feat.シャカッチ(=ハナレグミ)
【解説】
僕がこのアルバムで一番好きな曲。「サラダ」と「真田」を重ねて韻を踏んだアーティストは後にも先にもこの人だけなんじゃないでしょうか。動画はないので、iTunesかなんかで落としましょう!


・レキツ(2011年3月16日リリース) ←おすすめ!!!

レキツ (DVD付)
レキシ
cutting edge
2011-03-16


「きらきら武士」Feat.Deyonna(=椎名林檎)
【解説】
おそらく彼の楽曲の中で一番有名な曲。椎名林檎と池田氏の掛け合いが非常に気持ち良い。「あなたは武士 きらきら武士」「今日も朝から馬乗って 私をどこかへ連れ出して」とか最高の歌詞です。
YouTube

「妹子なぅ」Feat.マウス小僧JIROKICHI 
【解説】
これも曲名が秀逸ですよね。「父母との別れや出来立てホヤホヤの法隆寺を惜しみつつも意気揚揚と遣隋使として船に乗ったら小野妹子が男であることにびっくりする」という遣隋使あるあるを歌にしています。「勘違いだってDestiny」なんです。
とネタっぽく書いてみましたが、この曲を聴くと、冗談抜きでなにか新しいことに踏み出そうとする勇気が与えられたりします。勇ましい気持ちになります。ほんとに。

「狩りから稲作へ」Feat.足軽先生 vs MC四天王
【解説】
これはぜひ、ライブで聴いてほしい。なんかオフィシャルっぽい動画あがあったので(違ったらご指摘ください。貼り付け解除しますので)観てみて下さい。



いかがでしょうか、この素晴らしくくだらない掛け合い。このライブパフォーマンスこそレキシの真骨頂なのです。



・レキミ(2012年12月5日リリース)

レキミ
レキシ
commmons
2012-12-05



「姫君Shake! 」feat. 齋藤摩羅衛門
【解説】
素晴らしい歴史ネームです。齋藤摩羅衛門。これTVとかこの名前で出られるんでしょうか。しかしこのポップさ。しかしこのそのまんまなメロディを齋藤和義氏が歌うとちょっぴりサムく聴こえてしまいそうなもんですが、それをこの詞が中和していいかんじにしてくれているのであります。池田氏の声と齋藤さんの声も合ってる。
動画→YouTube

「墾田永年私財法」 feat. 田ンボマスター
【解説】
これもこちらの動画を観ながらお聴きいただきたい。すごくないですか。でもきっと、これまで土地を国に返し続けてきた743年の農民のみなさんの気持ちはこんなかんじだったんじゃないでしょうか。名曲です。



・レシキ(2014年6月4日リリース)
レシキ
レキシ
ビクターエンタテインメント
2014-06-04



レキシ - 年貢 for you feat. 旗本ひろし、足軽先生
【解説】
上でもご紹介した曲です。なんだかんだこの曲に勝るレキシの曲はない気がします。それほどまでにキャッチー。それほどまでにナイスリリック。それほどまでにナイス歴史ネーム。PV動画→YouTube


はい、まだまだ氷山の一角ではありますが、取り急ぎ代表的な楽曲をご紹介しました。
これらの楽曲を流して聴いただけでも、相当レキシがすごいアーティストであることがおわかりいただけたんじゃないかと思います。

冒頭にも書きましたが、ここ最近フェスでの露出がめちゃめちゃ増えているので、ライブをまだ観てらっしゃらない方はこの機会にフェスorライブ参戦してみてはいかがでしょうか。