間違いなく最高に良い歌で、月並みな感想ではあるが、聴くたびに泣きそうになるんだけど、自分にとってこの曲の何がどう良いのか、未だに咀嚼できていないでいる。

 

例えばその歌詞。



「君の癖を知りたいが ひかれそうで悩むのだ」といきなり意表をついた告白からはじまり、「知りたいと 思うには 全部違う知ることだ」 なる人間論のようなものを展開したかと思えば、「悪いことは重なるなあ 苦しい日々は続くのだ 赤い夕日が照らすのは ビルと日々の陰だけさ」と感情に訴えかけ、「君の癖はなんですか?」と締める。

うん。名曲なのは間違いないが、率直に言って、けっきょくなにが言いたいのかはちょっとよくわからない。 

例えば、この曲と並ぶ星野源初期の名曲「くだらないの中に」。 

 

この曲なんかは、(髪の毛の匂いを嗅ぎ合ったりなんかするような)「くだらないの中に愛が 人は笑うように生きる」と、わりと明確に結論を述べてしまっている。 よってとてもわかりやすい。

でもこの「くせのうた」は違う。そりゃあ、「君のくせを知りたい」が結論なんだろうけど、その行間を読めすぎて困るのだ。それがあの木琴?とピアノとギターで構成された、やさしくスローテンポな伴奏にからまり、心をゆさぶる。


そしてこのMV。 8mmっぽいレトロな映像で、ノスタルジックな気持ちになる、住宅街や団地、公園のベンチといった風景を切り取る5分間。源さんのおちゃめな正確も出てて大変に印象的だ。



 この曲は、NHKのドキュメンタリー番組、「地球イチバン」のエンディングテーマ曲だ。いつも番組終盤の、一番の盛り上がり所で流されて、それが感動を誘う。世界の遠く離れた土地で、全く異なる文化を持った人たちの、僕たち日本人からは想像もつかないほどに異なる日々の生活の営みを見せつけられたのちに、この曲を聴くと「知りたいと思うには 全部違うと知ることだ」というフレーズがまた違った深みを持って耳に届く。

 この曲は大好きだけど、この番組は知らない、という人にはぜひ一度視聴してみることをおすすめする。毎週木曜日、午後10時からNHK総合でやってます。


とかいろいろ考える・想像する余地を絶妙に残してくれている、でも直観的に心を動かしてくれる、めちゃめちゃ良い曲 です。「くせのうた」。

ばかのうた
星野源
ビクターエンタテインメント
2010-06-23

 
↑ちなみにこの曲が収録されているアルバム「ばかのうた」は、映画『モテキ』の挿入歌としてもちいられたりした「ばらばら」や、SAKEROCK(サケロック)時代の名曲「老夫婦」の編曲verなんかも収録されている、源さん初期の名盤でございます。