行ってきました。林檎博'14 −年女の逆襲−。
無題
2014年11月29日(土)。さいたまスーパーアリーナです。

 

これまで何回か椎名林檎氏に関する記事は書いてきたわけなんですが、

前作「三文ゴシップ」から新作「日出処」発売までの椎名林檎をざっくり振り返る

彼女のライブレポート的なのを書くのは、今回が全くの初めてな僕。で、さらに珍しいことに、今回は僕、友達を交えたちょっとした人数でこのライブに赴いたんです。

そんな事情もあり、せっかくなのでこの記事では、その友人のなかでも1番の林檎好きを自称するMayuさん(仮名)と僕が対談する形で感想を書いてみました。かなり話があっちこっち飛びますが、なかなか生々しくライブの余韻に浸る文章となりましたので、よかったら読んでみて下さい。

それでは、どうぞ。



【以下、ネタバレありまくり】

R→弊ブログ「ロキノン系のすすめ」管理人
M→その友人(♀)Mayuさん。


R:どうぞよろしくお願いします。

M:よろしくどうぞ。なんか「一番の林檎好き」とか言われてかなり恐縮なんですが…今日のライブでも知らない曲いくつかあったし。あ、あと、最初に言っておきますけど、今回のライブでやってた曲ってどんな曲なの?とか調べてらっしゃる方は、この辺の記事読んだ方が100倍ためになりますからね!

【林檎博'14】今回の林檎博は、セトリを見て予習していくことをオススメ。-浮雲ch
椎名林檎「いつも死を意識」「子ども5、6人産む」 5年半ぶり新作 - withnews(ウィズニュース) 
椎名林檎「日出処」インタビュー (1/5) - 音楽ナタリー Power Push
椎名林檎@さいたまスーパーアリーナ - RO69(アールオーロック)

R:ちょ、営業妨害……。まあまあ、そもそも椎名林檎に関する詳しい情報みたいなものを欲してる方々はこのブログにはそんなにいらっしゃらないはずなので。それはそうと、Mさんは林檎博に行くのは初めて?


M:うん、はじめて。椎名林檎はずっと小学生くらいの時からずっと聴き続けてきて、ファンではあったけど、ライブにはほとんど行ったことなかった。なんせチケットが取れない取れない…(泣)

R:ああ、ほんとにそれ(笑) だから僕も事変含めて林檎さんのライブはほんとに今回が初見で。もちろんライブDVDなんかはちょくちょく観てるけど。

M:そう、何回泣かされたことか……。でも、事変の解散ツアーだけは何がなんでも当ててやる!って気合を持ってあらゆる先行販売チケットに応募しまくったんだよね。そしたら当たった。

R:(笑)すごい気合。思いが通じたね。じゃあ「林檎博」への参加歴はないけど、事変のライブは観たことがある、と。

M:そう、そういうことです。


セットリスト 

R:じゃあまずは、ライブ全体を振り返る意味で、今回の林檎博のセトリを見てみましょうか。

1.今
2.葬列
3.赤道を越えたら
4.都合のいい身体
5.やっつけ仕事
6.走れゎナンバー
7.渦中の男
8.遭難
9.JL005便で
10.私の愛する人
11.禁じられた遊び
12.暗夜の心中立て
13.Between today and tomorrow
14.決定的三分間
15.能動的三分間
16.ちちんぷいぷい
17.密偵物語
18.殺し屋危機一髪
19.望遠鏡の外の景色
20.最果てが見たい
21.NIPPON
22.自由へ道連れ
23.流行
24.主演のオンナ
25.静かなる逆襲

マヤカシ優男
ありきたりな女

M:まさに「逆襲」だよね……。

R:ね(笑)「林檎博」という主題がついている以上、これまでの椎名林檎のこれまでのキャリアを振り返る形で、事変名義・林檎名義・他アーティスト名義の楽曲提供の曲をまんべんなくやるんだろうな、くらいの予想はついたんだけど、それにしたって、突いてくるところがシブい(笑)

M:うん、確かにRさんみたいに東京事変から入って林檎をその延長で聴いた人にとってはドSなセトリではあったかも。でも楽しめた…でしょ?

R:もちろん。…ただ、「日出処」のレコ発じゃないから仕方ないと言えば仕方ないんだけど、「カーネーション」も「孤独のあかつき」も「いろはにほへと」も「ありあまる富」もやってないんだよ!それはひどい…期待しちゃうじゃん!(机をバンバン叩きながら)

M:落ち着いて(笑)



1.今 2.葬列

R:はい、では気を取り直して、ライブを頭から振り返ってみましょうか。まずは1曲目「今」からの「葬列」。最新アルバム「日出処」収録曲と、2003年発表の「加爾基 精液 栗ノ花」収録曲。


僕なんかはこれを「新旧暗い曲対決」といった感想抱いてしまったんですけど、これに対しては、Mさんどういう…

M:(かぶせ気味に)私ここで泣いた!

R:ええぇ!?泣いた!?…超おどろおどろしい空気だった覚えがあるんですがあの時。いや確かに舞台上のスクリーンに映し出されたOPのアニメーション、舞台の幕が上って、ステージに向かって林檎さんが船に乗って客席側から現れる、といった派手な演出は見事だったと思うけど……。正直「なんであの暗い2曲で始まんの…」って思った。

M:いや、もちろんあの演出には驚いたけど、観るべきところはそこだけじゃないよ。2014年の林檎博、つまり椎名林檎の「今」を体現するこのライブの1曲目がこの「今」だったってことに私は感動したんです。
そもそも今回のアルバム「日出処」って、このインタビュー記事

椎名林檎「いつも死を意識」「子ども5、6人産む」 5年半ぶり新作 - withnews(ウィズニュース) 

にも書かれているように、椎名林檎の生死観がすごい如実に表現されてる1枚だと思うんです。で、それを象徴してる曲が、この「今」だと思うんです。

R:というと?

M:歌詞ですね。すごく暗い曲調でありながら、実は前向きなことを歌ってる。「黒々と淀んでいる」過去と、「まぶしく揺らいでいる」未来。この「二人」が「出会う瞬間」は「嗚呼なんて美しいの」と歌う。実はこの曲ってこのアルバムの核となる1曲だと思うんですよね。

R:あ、そうか!で、そんな「今」を歌う「今」という曲に続けて、人間の「死」を超生生しく描いた「葬列」を続けることで、椎名林檎の生死観を描いているってこと?

M:そう!上のインタビュー記事で椎名林檎が語ってる、「死は常に隣にある」っていう考え方とつながったって思いません?船に乗ってステージに椎名林檎が流れ着くあのパフォーマンスも、そう考えるとすごい意味深だし。
私学生の時ちょっとだけ仏教学を勉強してたんだけど、こういう死を受け入れる考え方って、仏教の考え方に近いんだよね。死を忌み嫌うキリスト教とは真逆の考え方。やっぱり椎名林檎は日本の至宝だよ……。


3.赤道を越えたら 4.都合のいい身体 5.やっつけ仕事 6.走れゎナンバー

R:で、こっからは怒涛のキラーチューン連発。けど「やっつけ仕事」って曲、僕知らなかったんだけど、これは彼女名義の曲?

M:え!?知らないの!?あの曲の時あんなにノッてたのに……。かなり初期に発売されたライブCD集に入ってる曲で、後の編曲集「加爾基 精液 栗ノ花」にも収録されてる。
今回のライブでは編曲前バージョンの「やっつけ仕事」が披露されたわけだけど…あれは感動したな…(遠い目)

R:そうか、知る人ぞ知る名曲だったわけね。で、この曲を挟む「赤道を越えたら」「都合のいい身体」「走れゎナンバー」の三曲もまた神がかってた。いずれも、その前の2曲とは打って変わって僕のようなライトリスナーでもピンとくる楽曲を続けてきて、会場も大いに盛り上がってましたね。「日出処」収録の「赤道を越えたら」と「走れゎナンバー」が来たときは「待ってましたー!」となった。

M:うん。「赤道を越えたら」は「日出処」収録の林檎氏の「男とは」「女とは」論が炸裂する歌詞をクールに歌い上げる演歌のような曲で、前作「三文ゴシップ」収録の「都合のいい身体」はミュージカルに連れてかれたような派手な楽曲。で、ロックテイストの「やっつけ仕事」がきてこのままたたみかけてくるのかと思いきや、「走れゎナンバー」でハズしてくる。間違いなくこのライブでの1度目の山で、盛り上がり所なんだけど、良い意味で裏切られ続けたなあ。

R:あぁ、「走れゎナンバー」のバックのアニメーションで映ってた車のナンバーが全部「0417(シイナ)」だったりね。

7.渦中の男 8.遭難 9.JL005便で 10.私の愛する人 

R:ところが、このあたりは…なにがなんだかってかんじで。とくに9,10あたり。

M:えぇ~。「渦中の男」とか、R君好みの超激しい曲なんですが。

R:ああ、あれは良かった!後ろのスクリーンに派手なアニメーションがだーっと流れて。でもあれ、確かお色直しの繋ぎの曲だったでしょ?その後、「遭難」が終わったあたりがきつかったんだ。(グッズ購入の列に並んでた)昼からの疲れが。

M:う~ん、まぁたしかに林檎ワールド全開だったからねえ。セルフカバーアルバム「逆輸入 〜港湾局〜」収録の「渦中の男」はまだわかっても、「私の愛する人」なんて「カーネーション」のカップリングだしねえ。この辺はここ数年の椎名林檎をきちんと予習してきた人の勝利、な部分だったかも。
でも事変のシングル曲「遭難」と、「日出処」収録の「JL005便で」はM君も知ってたでしょう?

R:いや知ってるのは知ってるけど、どっちも暗い曲じゃん…「遭難」なんて、暗い歌詞な上に、ストリングスバージョンって言ったらいいのかな、なんかアレンジされてたし。っていうかカップリングやるならA面の「カーネーション」もやってくれよちくしょう……。
いやでも今言われて思い出したけど、これ眠かったながらも超良い曲だったわ。「私の愛する人」。曲名に反してラテンっぽいリズムにストリングスの美しいメロディが新鮮だった。



11.禁じられた遊び 12.暗夜の心中立て 13.Between today and tomorrow 14.決定的三分間

M:へえ~「私の愛する人」、楽しめたんだ。ってことは、この次の曲が「禁じられた遊び」だったのは、事変推しのR君としてはかなりアツい展開だったんじゃない?

R:いやほんとにそうだよ。事変の曲、他にもやってほしいなとは思ってたけど、まさかこの曲とは!っていう。けどあの流れはほんとに美しかったと思う。あのちょっと変わった曲「私の愛する人」から、もっと変な曲に続いたんだから。あれはアルバム「大発見」の中でもかなりの変化球だったからなあ。よくこの曲をここでぶっこむようなセトリ思いつくよね。
 
M:で、石川さゆり氏への提供曲「暗夜の心中立て」。 

R:あ、あれやっぱり石川さゆりの曲だったんだ!

M:おお、知ってたの?

R:いや、石川さゆりに椎名林檎が曲提供してたことは知ってたけど、この曲だってのは知らなかった。けど聴いててなんか演歌っぽいな~って思ってた。で、これ超よかったんだよね。演歌のコブシっぽいところがあり、かつこれもストリングスバックを従えた豪華なサウンドをバックにしながら、でもちゃんとJ-POP曲としての一線を守ってるかんじがさ。「禁じられた遊び」で完全に目が覚めて、この曲でうおおおおっとなったかんじ。

M:うん、わかるわかる。明らかにここからM君のノリ方が変わった(笑)

R:そう、この後の「Between today and tomorrow」と「決定的三分間」は、たまたまなんか知ってたしね。とくに「決定的三分間」は、栗山千秋バージョンも好き。


15.能動的三分間 16.ちちんぷいぷい 17.密偵物語 18.殺し屋危機一髪

M:そして、あの名曲「能動的三分間」へと続くわけですよ。あの黒バック赤字のデジタル文字がスクリーンに出た時は…痺れたなあ。

R:Mさん、そっから、それこそ18の「殺し屋」くらいまでしばらく固まってたもんね(笑)

M:いや、ほんとにこの4曲くらいはもう、幸せすぎて、「むしろここで殺して」くらいに思った。事変の神曲「能動的三分間」、「RINGO!」の掛け声が印象的な「日出処」収録の「ちちんぷいぷい」、「三文ゴシップ」の隠れた名曲「密偵物語」、「浮き名」収録のこれまた神曲「殺し屋危機一髪」。

R:あ~「殺し屋危機一髪」、ほんとによかった!林檎さんが歌いだしの直前に、客席に向かって「バンッ」と銃を撃って、スクリーンに弾痕が残る、っていう演出も最高に痺れた。

M:うん、演出ってところで言うと、「密偵物語」もよかったかな。歌詞の一部が、だーっと後ろのスクリーンを流れるあの演出。曲のスピード感と合っててかっこ良かったなぁ。
あ、スクリーンと言えば、「能動的三分間」の演出もイカしてた。あの3分をカウントする数列と一緒に「中央線快速の一部に遅れが」とか「時間通りに運行してます」とか「サービス向上に努めます」みたいな、日常でよく見る電子文字が混ざって流れてたんだよね。


19.望遠鏡の外の景色 20.最果てが見たい

R:そう、それで、インスト曲「望遠鏡の外の景色」でお色直しをし、歌ったのが、「最果てが見たい」。あれって…椎名林檎の曲…じゃないよね?にしては歌詞もメロディもわかりやすすぎるというか。

M:うん、石川さゆりさんがSAYURI名義で歌った、「暗夜の心中立て」と同じかんじのやつなんだけど。
あれは、ほんとに大発見だった!「逆輸入」にも収録されてないから、たぶん椎名林檎が人前でこの曲を歌うのはこれが初めてだと思うんだけど、すごかったよね、あれ。

R:いやぁ、鳥肌ものだったよ。スクリーンに歌詞が映し出されて、椎名林檎がステージの真ん中でただそれを歌う、ってだけのシンプルな演出だったんだけど、ライブ終盤だったこともあって、それがすごく感動を誘って。僕なんて全っ然この曲聴いたこともなかったのに。

M:日本の歌謡界で、おそらくトップに君臨するであろう歌唱力を持った石川さゆりというアーティストが歌うからこそ、あれだけまっすぐで前向きな歌詞でもなんの嘘くささもなく伝わってくるんだと思ってたけど…違った、あれはただの名曲だった(笑)


21.NIPPON 22.自由へ道連れ 23.流行

R:からの、この3曲ですよ。もう…なんも書けねえわ。

M:あれだけセトリに文句つけてたのに(笑) でも、まあ、間違いなく会場が一つになった瞬間ではあったよね。照明がパーーーっと明るくなって、浮雲さんが「NIPPON」のラッパ(?)を力強く吹き、特攻服をまとった椎名林檎と林檎ガールズが現れる、あの演出。中盤のギターソロが終わって一番の盛り上がり所で日の丸がスクリーンに掲げ上げられていくところは、スポーツもサッカーも特に興味のない私も感動した。

そのままの勢いで「自由へ道連れ」へ。

R:僕が普段よく行くライブのお客さんと比べるとだいぶおとなしい林檎ファンのみなさんも、あの時ばかりは暴れ回ってたよね。固定席で。林檎さんがステージを飛び出してジャニーズみたいに観客席の中央あたりまで移動しながら歌ってるの見た時は、なんか笑ってしまった。

M:あれはびっくりしたね(笑)なんか移動しながら地面蹴ってたし。そして、Rくんの大好きな「流行」。

R:あれ、やばかった。ちょっと前のこの記事にも書いたけど、僕の大好きなMCであるMummy-Dさんのラップと椎名林檎の絶妙な掛け合いがめちゃくちゃかっこいいこの曲のラップ部分を、なんとあの浮雲さんが歌うという!

M:私、ちょっと笑った。けどかっこよかったな。

R:うん、あのゆるいラップが、原曲のDさんのそれと全く逆を行ってるんだけど、それがまた素晴らしい味になっていて。歌い切った後、すんごい脱力した声でヒップホップアーティストの常套煽り文句の「騒げ―」を出した時はやっぱり笑っちゃったけど。っていうかさっきも言ったけど、どうやったらこんなセトリ考え付くんだろうね…この舞台の世界観を壊さず、来ているみんなが喜ぶであろう流れ、選曲。


24.主演のオンナ 25.静かなる逆襲

M:で、最後の2曲。この2曲は、ただ圧倒されるばっかりで……。PUFFYへの提供曲で、「逆輸入」の1曲目に収録されてる「主演のオンナ」から、ご存知「日出処」の1曲目「静かなる逆襲」での本編終幕。

R:なんかこのあたりになると記憶がおぼろげではっきり覚えてないんだけど、確か林檎さんがキラッキラのハイレグ水着着て、太もものストッキングかなんかにマイク挟んで林檎ガールズとステージを闊歩してた気が。

M:うん、私もはっきり思い出せないけど、この辺からアンコールの「マヤカシ優男」までは、上のインタビュー記事で林檎さんが語ってた、「セクシーで、エッチで、ときめくキャバレー」を体現した、ラスベガスかどこかのステージを観てるみたいで。バックにネオンがチカチカしてる演出も、派手で圧巻だった。

R:「日出処」の1曲目「静かなる逆襲」をライブ本編の最終曲にあてたのも粋だよね。あれ、曲の最後になんか語りみないなのが入ってたよね。そのセリフが後ろのスクリーンに流れて。

M:私も完璧には覚えてないけど「人生は一度きり、楽しまなきゃ損」「欲しいものは全部手に入れるわ」みたいなことじゃなかったかしら。あくまで私見だけど、これってライブ冒頭の「今」で表してた生死観の話となんかつながるんじゃないかなって思ってて。
歌詞の中で「美味しそうな今美味しそうな旬を美味しく戴く それが人生よ」と歌う椎名林檎は、「閃光少女」とか「ギプス」とか「月に負け犬」でずっと歌っているように現在至上主義者で、「今」に対するそういう結論を改めてここで示したんじゃないかと思うんです。


アンコール1.マヤカシ優男 アンコール2.ありきたりな女

R:そしてアンコール。これも誰が予想できたかっていう2曲ですよ。まず1曲目「マヤカシ優男」。あれは楽しかったなあ。

M:「三文ゴシップ」の隠れた名曲。っていうかこのアルバムの完成度の高さを改めて思い知るライブでもあったよね本当に……。 

R:うん、ライブ終わってからの数日、僕ずっと「日出処」じゃなくて「三文ゴシップ」聴いてるもん。


M:まぁ、わかる(笑) あそこもすんごい盛り上がったよね。会場のみんなが踊ってた。で、この曲が終わって、初めて椎名林檎が喋る、っていう。

R:しかも第一声の次の一言くらいがもう「次が最後の曲です」だもんね(笑) 逆襲だよ。逆襲。

M: 本当に。この曲に関しては、この動画

を観たら、それだけでどういう心持で最後の1曲としてあの曲を聴いたらいいかがわかるってもんよね。 ナタリーのインタビューの言葉を借りれば「椎名文学の最高峰」的名曲。
MVでは、舞台に立って、セリフを読むようにこの曲を歌っていたのとは対照的に、このライブでは腹の底から、全てを出し切るように歌ってた。曲の最後「GOODBYE」を連呼した後、颯爽と舞台を後にするあの姿も、安定の林檎クオリティ。

R:うん、なんだかんだアンコールはあの曲しかなかったなって思う。っていうかさ、この曲終わってからスクリーンにエンドロールが流れて、BGMで浮雲さんのすんげえしっとりした曲が流れてたじゃん。あれめちゃめちゃかっこよかったんだけど、なんて曲なの?ペトロールズ名義?

M:あれは、事変名義。「Bon Voyage」私も実は家帰ってから調べて、やっと探し当てたんだけど、事変解散後に限定生産で作られた「Hard Disk」っていう、これまでにリリースした全アルバムと特典DiscがセットになってるBOXの、特典Discに入ってる曲。私は価格的に手が出なかった…でも曲単体ならiTunesでも落とせるよ。


R:え、ちょ、このBOX超高ぇ……。アフィリエイト貼っとこ。
 
Hard Disk(完全限定生産BOX)
東京事変
ユニバーサルミュージック
2013-02-27



R:はい、ではそろそろこの対談の締めに入りましょうか。Mさん、一言お願いします。

M:「もっと勉強します」ってかんじですね。私の知らない曲もいくつかあったし、ほとんどがちゃんと聴き込んでない曲だった。でもあんなに楽しかった。自分が頑張れば、掘り下げればいくらでもまだいいことも楽しいこともたくさんあるのに、それを見逃して日々を生きてたなぁって思いました。

R:日々の生活の反省につながりましたか(笑) うん、でもほんとに僕も今回はいい勉強になりました。ジャズとかストリングスとか管弦楽とか、もっと幅広く音楽を勉強したいなって思ったし。
あ、あと強く思ったのは、「そうか、もう事変はいないのか」ってことですかね…椎名林檎に圧倒されたと同時に、それも強く感じてちょっと悲しくもなった。 浮雲さんがあれだけぐいぐいきても、「遭難」や「禁じられた遊び」をやってくれても、やっぱりそれは椎名林檎だった……。

M:そりゃそうでしょ(笑)  でもまあ、気持ちはわかるよ。でもその変わることを恐れない強さと潔さがまた彼女の魅力の一つでもあるんだよねぇ~。