超今更ですが。こないだのミュージックステーションでサカナクションを観た時の話。


金曜の夜。あー疲れたーっつって家帰ってきてソファ座ってテレビつけたらMステやってたんですよ。


ちょうどゴウリキーこと剛力彩芽が、2013年最強のアンセムとの呼び声高い「友達より大事な人」につづくキラーチューン「悔しいけど大事な人」を、テニスラケットをぐるぐる回しながら熱唱してらっしゃって。

そうか今Mステの時間だった、なんて思いながらそのままTVつけてたら、そのゴーリキーオンステージが終わって、切り替わった画面に映ってたのが、なんとサカナクションで。

そうだった!今日サカナクション出るんだった!つって。

超テンション上がったな~。疲れて帰ってきてTVつけたら、カイリキーから進化を遂げてさらに強力になったゴウリキーがテニスラケット振り回すところが映っててなんとも言えない気持ちになってからのサカナクションですから。

で、そっから5~6分かな、サカナクションが紹介されて、ちょっとタモリさんとよくわかんない話してCM挟んでライブ、みたいな流れだったんだけど。これがね、ほんとによかったんですよ。



■「さよならはエモーション」という曲

まずこの曲が、すごいいい。まだYouTubeにPVの動画とかはUPされてないので曲そのものをご紹介することはできないんですが。すんごい良いんです。

さよならはエモーション/蓮の花 (初回限定盤)
サカナクション
ビクターエンタテインメント
2014-10-29



イメージとしては、2ndアルバム「NIGHT FISHING」収録の「ナイトフィッシングイズグッド」みたいな山口一郎熱唱系バラードというかんじ。 

サカナクションの楽曲に対する評価って、ともすれば「テクノとロックの融合」とか「文学性あふれる歌詞が」みたいな評価一辺倒になりがちで、確かにこの二点がサカナクションの大きな武器であることは間違いないんだけど、この楽曲は、それ以上に、ボーカル山口一郎氏の歌唱力に圧倒される仕上がりになってます。

おそらく、何日も何日も練りに練り続け、紡ぎ出したのであろう言葉を、聴く側の僕たちがしっかりとその1フレーズ1フレーズを噛みしめられるよう構成されたその歌詞を、大事に大事に、力強く歌う。そういう曲です。
「ナイトフィッシングイズグッド」も、夜に絡んだそれっぽい場面を写実的に切り取って歌詞に起こしてるかんじとか、すごい雰囲気は似るんだけど、圧倒的に違うのは、その言葉少なさで。「ナイトフィッシングイズグッド」は、一つの情景からどんどん話が進んで行って圧倒されるかんじなんだけど、この曲は、ぎゅっと短くすればたった2場面で話が済むものをひたすら味わいまくるかんじ。これだけ少ない言葉で、主人公(?)の心象を聴く側にこれだけ伝えるってすごいことですよ。

とにかく、そういうすごい曲だったんです。


■演出がサカナクションクオリティ

で、そういう曲をやってくれたわけなんですが、その演出がまためちゃくちゃ粋で。

Mステってほら、ライブやる前に、司会のアナウンサーのお姉さんとタモリさんがフリートークするじゃないですか。今回のサカナクションは、「視聴者からの質問」にサカナクションメンバーが答えるみたいな形式で。

その視聴者からの質問が「夜勉強をしていると、どうしても眠くなってしまうことがあります。どうすれば眠気を飛ばすことができますか?」みたいな質問だったんですけど、山口さんは、「まあ、眠いときは寝るのが一番ですよ」なんて言いながらも「逆立ちするのがいいですよ。10秒くらい逆立ちしていると、頭に血が上ってきて、嫌でも目が覚めちゃうんですよ」と答えたんですね。

これに対してタモリさんもアナウンサーさんも「ふ、ふーん…」みたいなリアクションで、そこから気まずい沈黙が入ったのちCMに入ったわけなんですが、実は、これがなんとCM明けの生ライブへの複線だったっぽくて。

「さよならはエモーション」の歌詞にこんなフレーズがあるんです。

そのまま
両手を床について
僕は逆立ちした

そのまま
昔の部屋を思い出した

君の事も

さよならはエモーション
僕は行く
ずっと涙こらえ こらえ


「そのまま両手を床について僕は逆立ちした」のところ。これ、つまりそういうことじゃないでしょうか。深夜コンビニから帰ってきて、おもむろに自分の部屋で逆立ちするなんて、普通に、このMステの放送を観てない人がこの曲のこの歌詞をみても絶対に「?」ってなるわけですよ。

その謎解きのヒントをこんなところにもってくるなんて、どんだけ粋な演出なんでしょうか。

 
で、生ライブ開始。このライブの演出もまた一風変わっていて。山口さんがTwitterにて、その様子をUPしてましたね。


メンバーはみんな椅子に座ってて、山口さんだけ立って歌い、それを囲むように200人のファンの方々が体育座りしてる。 この画像だとちょっとわかり辛いけど、照明もカメラのアングルも、曲が終わると同時に、一瞬映像がモザイクっぽく加工されたあのちょっとした演出も、全てが完璧。

けっこう前に、たしか「今夜はから騒ぎ」出した時だったかなあ、東京事変がMステに 出た翌日、亀田師匠が自身のブログで、Mステの番組作りに対する愛情の深さについて絶賛する文章を書いてたことがありました。

ミュージックステーション 亀の漫遊記

今回のサカナクションのいろいろも、こういうMステスタッフの本気さがあったからこそできたことなんでしょうね。 



 でもやっぱり、そのたった数分のTV番組での出演をも、ここまでいろんな工夫を重ねて、ライブともただ曲を聴くのとも違うものに意味づけしようというサカナクションの方々の姿勢が、本当に素晴らしいなあと思ったのであります。

別にアルバム出したわけじゃないんですよ。ただ両A面のシングル発売するだけですよ。それにここまでやるサカナクションというバンドのプロ根性はほんとにすごい。

って思ったのと、ゴウリキーの「友達より大事な人」→「あなたの100の嫌いなところ」→「くやしいけど大事な人」の三段オチを考えた人はまじで只者じゃないな~とか考えた、そんな刺激の強い金曜の夜でした。

おわり