泣いた。もう嗚咽がでるレベルで号泣してしまった。

テナーの記事
いっちゃんの記事を読んだ方はわかるかと思いますが、先日LOW IQ 01(ロウアイキューイチ)のソロ15周年を祝うイベントに行ってきたんですよ。

出演者は超豪華で、前座が10-FEET、ストレイテナー、でさいごにLOW IQ 01がしめるっていう流れ。

二つの記事を読んでもらったらわかるんですが、テナー、いっちゃんともに、本当にものすごいライブをして、この2組だけでも十二分に贅沢なライブだったわけなんですが、僕は、やっぱり、こんだけすごいアーティストがすごいライブをやって、それらと比べることができてもなお、テンフィのライブがもうダントツに素晴らしかったなあと思うんです。

■セトリがすごい

まずこのセトリ。もう殺す気かって話ですよ。
goes on
STONE COLD BREAK
その向こうへ
under the umber shine
WHAT A HELL'S GOING ON?(いっちゃんの出身バンドSUPER STUPIDのカバー)
2%
1sec.
RIVER 
「goes on」で会場歓喜、「STONE COLD BREAK」でモッシュ・ダイブの嵐、「その向こうへ」で大合唱、「under the umber shine」「WHAT A HELL'S GOING ON?」で会場ダンスの嵐、「2%」で再び会場大合唱、「1sec.」で会場再びモッシュ・ダイブの嵐、「RIVER」で三度目の会場大合唱。とにかく休憩する暇がない。なんせ会場のみんな、9割は知ってる曲なんだから。

この日の主役は01さん。10-FEET、テナーはあくまで盛り上げ役です。とくにトップバッターだったテンフィはたぶん、その役割を十分に自覚したうえでこのライブを作っていったのがバシバシ伝わります。会場のみなさんも、それは同じだったんでしょう。

とにかく、会場の隅から隅まで、後ろのスタジオコーストのあの机とか椅子とかあるとこらへんにいる人まで踊り狂ってて、すごい盛り上がりでした。


■10-FEETへの思い

で、そんなステージをみた僕は、開始3曲目「その向こうへ」で、嗚咽がでるほどに泣いてしまったわけなんです。


はじめてテンフィをはじめて聴いたのは、高校1年生の時。ホルモンとかハイスタとかエルレとかロコフランクとか、とにかく激しいやつを聴きたい衝動がすごくて、近所のTSUTAYAの「パンクを聴くならとりあえずこいつら!」みたいなところに足しげく通った。で、そこに置かれてたのが、10-FEETの「springman」「REALIFE」「6-feat」だった(なぜ「4REST」が置かれてなかったのかはよくわからない)。てきとーに3rdあたりから聴きはじめる、とかできない真面目な僕は、1枚目の「springman」から順々にアルバムを聴いていき、ハマった。中学生のときにJ-HIPHOPを愛聴していた影響だろうか、そのミクスチャー性がとても僕に合っていた。


高2の1学期始業式の朝に聴いた「CHERRY BLOSSOM」、雨の中チャリで学校まで爆走しながら聴いた「RIVER」、学校の帰り、友達と別れて家まで歩いた夜に聴いた「Do you like…?」、大学の受験行く朝に聴いた「4REST」。

大学入ってからも相変わらず聴き続ける。

友達の失恋話を夜通し聞いた朝に聴いた「雨」、留学行く飛行機の中で聴いた「recollection」、就活全然うまくいかなくてやさぐれてた時に聴いた「風」「Freedom」。

社会人になってからも相変わらず、ずっと聴き続けてる。

会社入ってなんかいろいろ嫌になってた時の帰りの電車で聴いた「VIBES BY VIBES」。彼女との遠距離恋愛がしんどくて死にそうだった時に聴いた「goes on」。仕事ででっかいミスしてめちゃくちゃ落ち込んでた時に聴いた「蜃気楼」、そして「その向こうへ」。

とにかくずっと。ずっと10-FEETの音楽は僕と共にあった。


この日は、そんな彼らのライブを2年ぶりくらいに観たんです。そもそも、彼らが舞台に上がった瞬間から、なんなら彼らの入場曲である「ドラゴンクエスト3のそして伝説へ」を聴いたあの瞬間から、もう僕の涙腺は崩壊寸前だったんですが、「その向こうへ」でそれは決壊しました。サビ前のここ。
描き続けて擦り切れた願いは とっくに消えたけど歩いてみた
”描き続けた願い”なんて、そんなのなんかあったっけな。あった気がするな。今、俺、そういうの忘れちゃって、でも”歩いて”るな。

そんなことを考えると同時に、それまでの10-FEEと共にあった何年間かがわっと頭の中を駆け巡って、泣かずにはいられなかった。「風」とか聴いてたあの頃、たぶん何かしらの願いを描いてたよな、と思った。そしてその上に立ってるよな、自分は、とも思って、また泣いた。

■なんで泣いちゃったのか

やっぱり、自分の過去に寄り添うアーティストとか曲って、なんかもう、いろんな理屈を超えた感情を呼び起こしちゃうんですよね、たぶん。音楽が、自分の辛かった時とか、うれしかった時、なんてことはないんだけど、なんか印象に残ってる瞬間みたいなのに紐づいちゃうと、もうだめなんですよ。今回の「その向こうへ」を聴いたあの瞬間は、ほんとにそういういろいろがフラッシュバックして、やられた。

もちろん過去を懐かしんでばかりで前に進まないのはよくない。でも、そういう自分の原点みたいなものに立ち返る時間も必要だと思うんですよ。そういう時間があって、今の自分を肯定できたり、原点みたいなものを確認できたり。10-FEETは、っていうか音楽は、僕にとってまさにそういうものなんです。

今聴いてる音楽もやがてそういうもんになるのかなーとか思ったら、大事にしなきゃなと思った。