最近iTunesでアルバム買ったりMV買ったりすることが増えてきました。

やっぱりCDというものへの愛着は捨てきれなくて大好きなアーティストに関してはCD屋でCD買うけど、ちょっと気になってるアーティストだけど、CD借りに行くのはめんどくさい、とか、そんな時はiTunesストアでのダウンロードに走ってしまいます。その辺はやっぱり使い分けかなー。

で、そうやってiTunesストアを巡ってると、すごいことに気づいたんですよ。

 
ライブビデオ - 映画 iTunes でダウンロード - Apple

 
なんと、iTunesでアーティストのライブ動画を購入することができるんです。

 知らなかった……。しかもけっこうアーティストのラインナップも豊富。
ってわけで、これからたまーにiTunesでおすすめのライブ映像があったら、順次紹介していこう と思います。


で、今回はその1回目。紹介するのは……この人たち!

東京コレクション
(↑クリックするとライブ音源集「東京コレクション」のAmazonリンクに飛びます)

そう、東京事変!事変のLIVE動画が、なんとiTunesでダウンロードできるんです!わざわざライブDVD、ライブBlu-Ray買わなくてもいいんです!しかもぜんぶDVDの定価より1000円くらい安い!

これはほんとに驚きました。

ちょうど椎名林檎名義で新アルバム「日出処」が出る事も発表されたところなので、ちょっと順番にどういう作品か解説していこうと思います。

 
■東京事変 live tour 2005 “dynamite!”
3rdアルバム「娯楽」リリース直後に行われた、ライブハウスツアーの様子を収録した作品。そう。「ライブハウスツアー」なんです。彼らがライブハウスでツアーを行ったのは後にも先にもこの時だけで、そういう意味でもめちゃくちゃ貴重な映像が収められております。
個人的な話でアレなんですが、僕、実は事変のアルバムの中でも、この「娯楽」が特別好きな作品でして。やはりバンドが第2期としてリリースした初めてのアルバムだからでしょうか。浮雲氏が作曲した、いろんな意味で非常に挑戦的な作品である「OSCA」や、椎名林檎の書く歌詞に、その文学性に加えて、聴く者を「キラーチューン」、「黒猫道」などなど、バンドの代表曲となっている楽曲の数々が収められており、その各曲が個性豊かでありながら、アルバムとしてのまとまりが大変秀逸なんですね。

東京事変 - OSCA (YouTube)
東京事変 - キラーチューン (YouTube)


このツアーでは、その「娯楽」の作品を中心に据えながらも、「修羅場」「透明人間」などの人気曲もしっかり演奏してくれてる。しかもライブハウスで。
次のアルバム「スポーツ」以降から楽曲の雰囲気が大きく変わったことを思えば、この初期~中期、そして後期へとバンドが切り替わる前の東京事変のライブが収録されているこの作品は、かなり見応えがありおすすめできます。


■東京事変 live tour 2010 ウルトラC
ウルトラCです。かの有名な。前述したように、そもそもツアーのテーマとなっているアルバム「スポーツ」が、それまでの事変、というより「椎名林檎」のイメージそのものをかなりガラっと変化させる1枚なんです。
1曲目の「生きる」から「電波通信」「シーズンサヨナラ」「勝ち戦」「FOUL」あたりまでの怒涛の流れ、「雨天決行」「能動的三分間」の異質さ、「スイートスポット」「閃光少女」「極まる」の締め。とにかく怒涛の47分なんです。そのアルバムを引っ提げたツアーです。

東京事変 - 閃光少女 (YouTbe)


で、そんな勢いあるイメージを意識してなのか、林檎氏、このツアーでは金髪ベリーショートという大変カッコいい髪形をしてらっしゃるんですが、

東京事変 live tour 2010 ウルトラC オフィシャル・ライブ・リポート

注目していただきたいのが、他のメンバーの衣装。これ、わかりますかね。なんかみなさんギリシャ神話の神々のような衣を身にまとってるんですよね。もともとフェスなんかでは全員そろいの和服?浴衣を着たりといろんな恰好してらっしゃるんですが、この時の衣装はやはり異彩を放ってます。



■東京事変 Live Tour 2011 Discovery

ここまでくると、事変はほぼ「完全体」になったと言っていいでしょう。演奏する曲一つ一つがいちいち心を揺さぶり、バンドメンバーの一挙一動すべてに意味があり、演出も凝りに凝りまくってます。事変がバンドとして最も神がかってる様子を見られる作品です。

東京事変 @ 東京国際フォーラム ホールA | 邦楽ライヴレポート

↑このライブレポート読むと、その一端が感じられるのではないでしょうか。余談ですけど、ロッキングオンの記者さんというのは、ものすごく主観的に記事を書く方が多いですよね。
東京事変のライヴって、ほんっとにすごい。明らかに、ほかではこんなもん、観れない。少なくとも、僕は観たことない。
こんな文章載せてる「メディア」の「記事」ってたぶんロッキングオンだけですよね。ブログやないか。
でも、こういう勢いと感情が入ってないと伝わらないことも確かにあって。で、事変のライブを観た時の興奮はまさにこういうかんじなんですよね。「やばいやばいやばいなにこれ!」って感覚。賛否あるとは思いますが、こういうのを平気で載せちゃうところがロッキングオンのかわいいところで、それが僕は好きなんですよね。

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はい、話逸れましたが、ほんとにすごい作品なので、ぜひ観てみて下さい。


■東京事変 Live Tour 2012 Domestique Bon Voyage
東京事変の最後のライブ・ツアーとして、2012年2月に行った「東京事変 Live Tour 2012 Domestique Bon Voyage」より最終公演の日本武道館公演を完全収録した映像作品。
 (iTunesの作品解説より引用)
解散ライブを収録してます。僕はこのDVD発売初日に買って2日で3周くらいして4~5回泣きました。
これも、ロッキングオンさんの臨場感あふれるレポートでその雰囲気を感じ取っていただければと思います。

東京事変 @ 日本武道館 | 邦楽ライヴレポート

Discoveryのときと比べて、明らかに文章の雰囲気が違いますね。僕としてはもっと感情的に、抽象的な言葉とかいっぱい使って書いてほしいんですが。誰かに怒られたんでしょうか。

で、作品の話。やっぱり圧巻なのは、冒頭の3曲で、「生きる」ではじまり「新しい文明開化」で紙ふぶきを舞わせて会場を一つにし、その紙ふぶきを途中からお札の雨に変えて「今夜はから騒ぎ」に移行する。伊澤さんの背中に羽が生えたり、後半もいろんな面白いことが起こるんですが、やっぱりこの冒頭3曲のセトリおよび演出はほんとにすごいな、と。なんならもうこの3曲だけで終わってええやろ、ってくらいに思いましたこれ観てて。

東京事変 - 新しい文明開化 (YouTube)

ただ、唯一アレだったのは、このライブ、ほとんどの曲が、オーケストラ付のアレンジバージョンで演奏されてたんですよね。これ、現場で実際観てた人にとってはすごい迫力でよかったのかもしれませんが、DVDで観るとなるとどうしてもしょぼくなってしまう。ここだけがちょっと不満だったかなーとは思います。まあ個人的な感想なんですが。


■その他
東京事変のコンサートの軌跡を追ったライブ・ヒストリー作品。結成翌年の2005年2月に行われた「東京事変 live tour 2005“dynamite!”」の名古屋センチュリーホール公演から、2012年2月に行われた「東京事変 Live Tour 2012 Domestique Bon Voyage」の日本武道館公演まで、単独ツアー7本のライブからの名演22曲分をはじめ、ロック・フェスティバルやイベント出演時のダイジェスト映像、「丸の内サディスティック」のライブ映像を特別編集した「幕の内サディスティック」で構成。また、映像化されていなかった2006年2月に行われた「DOMESTIC! Virgin LINE」の日本武道館公演の映像を初収録。
 (iTunesの作品解説より引用)
これ、なにげにおすすめです。ヘタしたらこの中でいちばんかも。
とにかくいろんなライブの名演とよばれる個所だけを抽出して集めてる作品で、流しどころが一切ない。僕は通しで観るのはしんどいので、何回か休憩をはさみました。いろんなライブでの「丸の内サディスティック」の映像を細切れでつないでるラストの「幕の内サディスティック」は必見です。


あと、個人的に好きなのが「母国情緒」のライブ映像。楽器隊のようにメンバーが小ぶりの楽器を抱えて、並んで歩きながらこの曲を演奏するんですが、これがたいへんにいい。このマーチングバンドの曲調と合ってるんでしょうね。曲の途中キーボードの伊澤さん(このときはピアニカ吹いてます)が「幸福論」のサビを演奏したりして、アレンジも面白い。
その他にも、当時は本邦初公開だった各フェスでのライブの様子など貴重な映像がぎゅっと詰まっていて、事変の歴史をざっと俯瞰するのにはちょうどいい作品なんじゃないかと思われます。

 
はい、というわけでライブツアーに準じて東京事変の歴史を振り返ってみました。
東京事変の結成は今から約10年前の2005年。当時高校生の僕はまさに東京事変とともに青春を歩んできた感があって、このバンドの歴史を振り返るのは、いろいろ感慨深いところがありました。ランキング形式とかにしなくてよかった。もう解散してしまいましたが、このバンドが日本の音楽の歴史において残した功績は本当に大変なものがあるんでしょう。

そんな彼らのライブ作品、iTunesで楽しんでみてはいかがでしょうか。