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先日こんな記事を書いたところ、けっこう多くの方に読まれることとなりました。

マキシマム ザ ホルモンの「予襲復讐」を真面目に考察してみた

で、実際どうなんかいな、と。的外れなこと書いてやしないかな、と思いまして。
買ってみました。「予襲復讐」。

 予襲復讐
予襲復讐

僕の書いてることの答え合わせは、実際にこれを買ってみなさんにしていただくことにしまして。
 

いやあ、これは本当にやばいです。早くも僕の中で2013年のベストアルバムランキングの1位が決定してしまいました。迷ってる人、絶対買った方がいいですよ。


と闇雲に言葉を並べたってしょうがないので、ここは曲そのもののレビューは置いときまして、いったい中身、というか噂の「解説本」はどんなのなんかいなってところを皆さんにご紹介したいと思います。

※以下、ネタバレ(?)あり
 
 まず見た目。
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どう見てもDVDですね(笑)
パッケージは紙。長い。厚い。そして本がくっついてるので当然なんですが、重い。たぶん雑誌「ロッキングオン」1冊分くらいあります。何も知らない人が見たら、絶対にCDだとは思いません。
で、あれですね。 これまでCDをおしゃれなCDラックとかに保管してた人はまじ涙目ですね。

しかしジャケットが超かっこいい。この写真じゃわかり辛いんですが、並んで勉強してる女の子全員がいかついタトゥー入れてたり、一人だけ顔が骸骨でお決まりのメタルポーズ取ってたり、と遊び心も満載です。
で、偶然かもですが、女の子と女の子の間の白い余白(?)部分。盛り塩に見えません?もしそうだとしたらますますいろいろ遊ばしてくれるなーと感心するところなんですが。

などなど、ジャケット見てるだけで相当遊べます。

裏ジャケがこれまたなんともアレなんですが、それは買ってのお楽しみということにしまして。


開いたらこんなかんじ。
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本とパッケージは、くっついて切り離せない仕様になってます。
この写真ではわからんのですが、CDを外すと、これまた実にホルモンらしい遊びが隠されておりまして…と、これも買ってのお楽しみ。
本の表紙(?)もいいですね。いろいろ想像を掻き立てます。

 で、気になる「本」の中身。
構成としてはこんなかんじ。


目次
プロローグ(マンガ形式)
楽曲レビュー はじめに(対談形式)
曲① 歌詞
曲① レビュー(対談形式)
曲② 歌詞
曲② レビュー(対談形式)

・  (たまに曲に関連するマンガが挟まる)
・ 
曲⑮ レビュー(対談形式)
18禁(ガチです)マンガ
あとがき(音楽ライターさんによる随筆形式)


順にご紹介いたします。

まずはプロローグのマンガ。
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亮くんがこの「本付CD」を出すことを決意した思い、経緯みたいなことを、いろんな例えを交えて力説しております。マンガで。言ってることは、先日の「考察してみた」の記事で僕が書いたことと割と近いです(えっへん)。
他のレビュー読むのがめんどくさくても、ここだけは必ず読んで欲しいところですね~。


次、歌詞ページ。どのメンバーのパートか色分けされてます。今までのホルモンのアルバムにはなかった仕様ですね。
このサイズのページに歌詞が書かれているのを見ると、また違った迫力があります。なんだか詩の本を読んでるみたいです。右ページのババアが素晴らしくキモいです。
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そしてお待ちかね、楽曲レビューのページ。これこの2ページだけで何字あるんでしょうか…まじで「ロッキングオン」のインタビュー記事くらいのボリュームです。
ほんとに全曲このボリュームの解説が載っております。
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この曲のこのパートは誰々をモチーフにしてて(そのセレクトがまた面白い!)だとか、ここの歌詞はこういうこだわりを持って書いた、だの、作り手である亮くんの視点と、聴き手であるスタッフとの視点でレビューしているので、いろんな切り口で曲を味わえます。やばい。


たまにこんなマンガが挟まったりします。内容は全て亮くんの体験談。
どれもこれも「中学パワー」全開です。
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で、最後のあとがき。
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「ロッキングオン」の記者さんが書いてます。さすがプロのライターさんです。
いろいろ起きすぎて混乱している頭を整理させてくれます。


はい。と、まあこんなかんじの本盤なんですが。
これはあれですね。完全に本ですね。ていうか本がくっついたCD。で、その本でこのアルバムの「正しい聴き方」をお腹いっぱいになるまで語りつくす、という。

僕はこういうCDが発売されてオリコン1位とったっていうこの事実はほんとに「事件」だと思っておりまして。もちろん良い意味で。


と言いますのも、音楽鑑賞って、たぶん芸術鑑賞の中で最も、個々がその良し悪しを評価し辛い分野だと思うんです。
CDショップで視聴したのか、家でヘッドフォンあてて集中しながら聴いたのか、ライブで聴いたのか、ラジオからかかってくるのを聴いたのか。その時体調がよかったのか悪かったのか、イライラしていたのか楽しかったのか悲しかったのか。などなど、まずその音楽を聴いている状況によって、印象の良し悪しは大きく左右されます。

で、その演奏の巧拙も素人による評価は大変困難です。「なんかこのギターの速弾き難しそう」とか「チョッパーってなんかわからんけどすごくね」とかせいぜいそんなレベルでの評価がいいところ。ましてや、必ずしも演奏の巧拙=曲の良し悪しとはならない。
 
とかそんなかんじで、基準が非常にあやふやな音楽 というものを、いったい素人はどうやって評価したらええねん、という悩みを持つ音楽リスナーは非常に多いはずでして。
その結果として、音楽通キャラの友人の評価に媚びて本当に自分の好きな音楽がなんなのかわからなくなってしまったり、ニコ動YouTubeのコメント欄や2ちゃんねるでの書き込みに振り回されてしまう人がたくさんいるんじゃないかと思うわけです。


この「予襲復讐」は、その「評価の指標」となる一次資料をアーティスト自身が提供した、「自分たちはこういうこだわりを持って音楽を作っている。それを良いと思うかどうかは聴き手の判断に任せる」という姿勢を打ち出した点にとても価値があるんじゃないでしょうか。

「歌詞の子音・母音のつながりで歌ったときのなめらかさを演出している」とか「この曲のこういう構成はシステムオブアダウンやらメタリカみたいながむしゃらラウドロックを意識してて」とか、そんなん(感覚としてここかっこいいなっていうのはあっても)素人が聴いたって絶対わからんのですよ。 そういう「やってる人」しかわからんことが、音楽にはあまりにも多すぎます。
そういう作り手のこだわり方を超具体的に、わかりやすく説明してるのがほんとに素晴らしいと僕は思うのです。そこまで説明すれば、あとは聴き手が「それが好きか嫌いか」という、真に感覚的な部分で評価できるようになるわけですから。


形はどうあれ、ともすれば誤解を与えがちな、わかりにくい創作活動をしているアーティストは、もっとこういうことしていいと思うんですよね。音楽に関わらず。
まあもちろん作り手として、そういうことしたくない、ださいって気持ちもわかります。言ったらお笑い芸人が自分のギャグのどこがどう面白いのか説明してるようなもんですから。

でも、そこは工夫を凝らして、スマートな形でそれを表現する方法はいくらでもあると思うんです。ブログに書く、とか。あ、アジカンのゴッチ氏はそういうことしてますね確か。


と、話がそれちゃいましたが、今回のホルモンのアルバムはこういう意味でたいへんヤバい一枚となってしまいました。

ホルモン好きの方。今度から周りの自称音楽通が彼らをディスってるの聞いたら
「うっそじゃあ『maximum the hormone』の頭のTOOLっぽいベースのフレーズとか全然なんも思わんの?あそこにお経風の歌詞乗せてんだよやばくね?」とか言ってやればいいんです。

たぶん友達減りますが。

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