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今このご時世にこの曲を頭に据えたアルバムを出すことそのものに、立ち上がって拍手したいと思う。


ちっちゃい子供からお年寄りまで、本当に「普通の人」がネットを普通に使うようになって、僕たちの音楽を聴く環境は随分変わりました。
YouTubeでぽちっと検索すればたいがいのアーティストの曲を聴けるし、好きな音楽をいろんな人と共有できる。感想も言い合える。いろんな人の音楽に対するいろんな見方、考え方を知れる。

でもやっぱりそこには悪い面もあって。
YouTubeのコメント欄とか2ちゃんねるのアーティストアンチスレとか。まあ見なきゃいいでしょで話は済むんでしょうが、そもそもネット普及前には存在し得なかった誹謗中傷、罵詈雑言がすごい数の人たちの目に触れてるってのはやっぱりあんまり良いことじゃないでしょう。


……みたいなこと考えながら、ちょっとこの曲聴いてみて下さいよ!

2013年7月31日に発売されるマキシマム ザ ホルモンの新アルバム、「予襲復讐」。

その一曲目である「予襲復讐」。


予襲復讐

いやあ。強烈にスカっとしません?
PVの構成もさることながら、やっぱり曲そのものもすごい良いんですよ。まさにアルバムタイトル「復讐」へのプロローグにふさわしい一曲だと思います。


まあ正直ねえ。ホルモンの曲って、一個一個作り手である亮くん自身の解説が歌詞カードに載ってるわけでして。だからわざわざその解説をするのは非常に恥ずかしいと言いますか。ぜんぜん違うこと書いてたら嫌じゃないですか。
まあでも、この曲のCDまだ発売されてませんから!今なら何書いても大丈夫でしょってことで。ちょっと思ったこを書いてみようと思います。


僕はこの曲に、以下二つのメッセージが込められているんじゃないかと思いました。

①「中二病」の肯定
②ネットでホルモンを浅はかに揶揄する人々への「復讐」

まず①について。

このアルバムの発売が発表されるおよそ1か月前、「歌と6弦と弟」マキシマム ザ 亮くんは、自身のブログにて、ホルモンの次回作に関して次のように話しております。
(これまでの作品について触れた後)曲の中に込められた、感情の素は、曲ができるもっともっと前から僕の頭の中にずっとあって、ぐつぐつと煮立っている。
その煮えたぎった俺の感情が、リフとなりメロディーや叫びと一つの塊となった時、マキシマムザホルモンの「曲」になるわけです。
(中略)
(過去に亮くんが受けたインタビューを引用して)「僕の中では、アルバム”ぶっ生き返す”まででマキシマムザホルモン」という物語は完結を迎えているんです。
(中略)新作を書くとするなら、それはもう、”エピソードゼロ”しかないんですよ。
(そのエピソードゼロとは具体的にいつか?と質問され)中学だよ!中学!!!! 
で、その約2か月後にぶち上げられたのがこの「予襲復讐」のPVです。
これを読んで次回作についていろいろ妄想を巡らせていたファンの方々は、いろいろ画点がいったんじゃないでしょうか。

ドラムのナヲさんが「亮中二すぎどうしようもねえわ」と歌うところから始まり、亮くんは「牙はまだ生えておる」と、「中二」であるからこそ持つ、自分の強さをついて叫びます。
で、「過ぎたすべての恨み(=中二時代の黒歴史?)を晴らして生きるのも辛いから」、「まだ血を帯びたままこの胸の殺された想い(=中二こそが持つおどろおどろしいパワー?)をぶっ生き返したい」と歌う。

ほんと曲の一部にすぎないんですが、ここだけ切り取ってみても僕のような一生中二病こじらせてたい大人にとっては十分涙ものです。

銀杏ボーイズの峯田さんは、シングル「童貞ソーヤング」の歌詞カード内で、「童貞にしか見えない世界がある。童貞を失うことで見えなくなるものがある(うろ覚え)」みたいなことを言ってました。

「中二」だからこそ。あの圧倒的なパワーを忘れずに抱き続けているからこそできることってのがある。
亮くんはこの「感情の素」をずっと煮えたぎらせ、この曲にぶつけたんですねえ。


で、ですよ。
この曲のより評価すべき点って実はもう一つ上のところにあると僕は思っていまして。

それは、この「中二最強論」を、ともすれば「媚びた」「中二だ」なんだと批判されそうな構成の曲を通して叫ぶことによって

②ネットでホルモンを浅はかに揶揄する人々への「復讐」

を遂行していることなんじゃないかと思うんです。


これまでのホルモンを知る人たちなら、頭の「歌」、「語り」やコーラスの挟み込みにかなりびっくりしたんじゃないかと思います。でもこれも、この曲(あるいはこのアルバム)においては許されるんです。

だってこの曲は「中二の歌」なんだから。


それを示しているのが、頭の方の亮くんの「語り」部分です。歌詞引用します。

「例えばその量りが指した重さ100グラムと1周回った1100グラムの針は同じ位置。
見た目で決めつける奴ら その重さもわからずたやすく軽く見下し
何周回ってそこにたどり着いたかを想像することもできぬままずっと裏の裏は表だと信じきっている“普通”“一般”という名の『異常な正常者』
そんな“まとも”な人々の『正気の沙汰』に痛めつけられた結果がこれである!!」

何周も音楽作りの修羅の道を回ってきた亮くんが、俺たちは裏の裏の裏のその裏にまで潜り続けてきた、その結果の表に見える裏なんだ、だからこそこの「中二の歌」を歌えるんだとアツく語っております。

アルバム一曲目の頭でこれを言っちゃったことで、もう彼らはなんでもできちゃいますよね。
実際コーラス部分とか「あれ?サカナクション?」くらいのかんじです。でもその実、しっかりとホルモンとしての新しさを見せており、「1100グラム」どころか2100、3100グラムだ、くらいの歌、コーラス、語り、デスボイスの応酬を繰り広げております。超かっこいいです。

亮くんは、たぶんネットのいろんなところで全く実の無い自分たちへの批判、揶揄が行われていることにずっとフラストレーションを抱いていたのでしょう。
もちろんそんなのアーティストに関わらず、著名な人々が抱えるある種の「有名税」として受け入れざるを得ないものなんでしょう。でも亮くんは、そんな彼らに何かしらの「復讐」をせずにはいられなかった。

だって「中二」だから。


僕はそこにある種の感動を覚えたんですよ。
そういう所に、ほとんどの有名人達は泣き寝入りせざるを得ない。そこに「中二病」の肯定というテーマを持って勇猛果敢に突撃するその様に。これは間違いなくマキシマム ザ ホルモンという「永遠の白帯バンド」にしかできないことです。



……みたいな曲から始まる、マキシマム ザ ホルモン約6年ぶりのフルアルバム。
 エピソード0のフルアルバム。

これはもう、買うしかないでしょうが!!!